複数障害の認定方法

 

1、同一の人に二つ以上の障害がある場合

 

1)併合(加重)認定


二つの障害を併せて重度の等級とする併合(加重)のこと


併合は「障害認定基準」の別表1(併合判断参考表)、別表2(併合(加重)認定表)を使って、


次の場合に行う。

 

@ 同一傷病における併合認定


障害認定日において、認定の対象となる障害が二つ以上ある場合

 

A 別傷病における併合認定(併合)


障害給付(前発障害)の受給権者にさらに障害給付(後発障害)を支給するべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害給付が支給される。


*前発障害  ・・障害等級が12級のもの(以前に12級であったものを含む)に限る


*後発障害  ・・12級のものに限る


*併合後の障害・・12級のものに限る


*前発障害と後発障害の区分は、受給権発生年月日で判断する

 

B 別傷病における併合認定(はじめて2級)


二つ以上の障害を併せて、初めて2級以上に該当したときは、当該障害を併合した障害の程度による障害給付が支給される。                                                      *前発障害・・障害の程度が3級以下のもの(以前に12級であったものを除く)      


*後発障害・・基準障害  


   *前発障害と基準障害の区分は初診日で判断する。納付要件等は基準障害で確認する

  

C 別傷病における併合認定(併合改定)


障害給付(前発障害)の受給権者にさらに障害等級(12級)に該当しない程度の障害が生じた場合には、前後の障害を併合した障害の程度による障害給付が支給される。


*前発障害・・障害等級が12級のもの(以前に12級であったものを含む)に限る


   *後発障害は受給要件を満たしていることが必要

 

2)総合認定


複数の併存する傷病の障害状態を個々に区別して認定できない場合に用いられる認定方法

 

(障害認定基準では)


内科的疾病(認定基準の第1章、第10節から第18節)の併存している場合及び認定要領において


特に定めている場合(主に精神の障害)は、総合的に認定する。

 

総合認定が行われるのは、およそ次のような場合

 

@ 複数の内科疾病がある場合、それぞれの障害の程度を分離することは不可能なので総合的に判断される。

 

A 脳卒中などの脳の器質障害、脊髄損傷など脊髄の器質障害、多発性関節リュウマチ、進行性筋ジストロフィーなどの多発性障害の場合は、関節個々の機能による認定によらず、身体機能を総合的に認定する。

 

B 悪性新生物による障害の程度の認定は全身衰弱と機能障害とを区別して考えることは本来不自然なことが多く、検査結果や病状、日常生活状況等を把握して総合的に認定する。

 

C いわゆる難病については、ほとんどの疾病が臨床症状が複雑多岐にわたっているため、客観的所見に基づいた日常生活能力等の程度を十分考慮して、総合的に認定する。

 

D 精神障害と神経障害を区別して考えることは、その多岐にわたる臨床症状から不能であり、原則としてそれらの諸症状を総合して、全体像から総合的に判断して認定する。

 


E 発達障害とその他認定の対象となる精神疾病が併存しているときは、併合認定は行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。


  

3)差引認定


もともと障害がある部位(同一部位)にさらに傷病が発生した場合に、現在の障害の状態から既存の障害の程度を差し引いて認定を行う方法、肢体障害、眼の障害、耳の障害の障害認定等に用いられる。

 

@ 差引認定は、現在の障害の活動能力減退率から前発障害の活動能力減退率を差し引いた活動能力減退率(差引残存率)に応じて、差引結果認定表により認定する。

 

A 同一部位とは、障害のある箇所が同一であるもの(上肢または下肢については、それぞれ1の上肢または下肢)の他、眼または耳のような相対性器官については、両側の器官をもって同一部位とする。

 

B 「はじめて2級による年金」に該当する場合は、適用しない。



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